その中で、面白いと思ったものを紹介していきます。
今回は、サイト外のユーザーの行動履歴を解析できるツール「beencounter」をレビューしてみました。
●機能概要
通常、自分たちのサイトに訪れたユーザーが、自分たちのサイトに訪れる前に見たサイトを知る方法はありませんでした。
beencounterは、解析したいサイトに訪れたユーザーが、指定のサイトに総ユーザに対してどの程度割合訪れているか確認することができるツールです。
この履歴は、過去のブラウザの履歴から取得しているので、
直近数カ月のことになるでしょう。
また、このサービスのAPIを使うことで、例えば、ライバルサイトを一度訪れたユーザーに対して、
「あのサイトより、うちのサイトの方が、○○の性能が良いですよ。」
という提案とか、
Facebookにアクセスしたユーザーなら
「Facebookをご利用のあなたには、うちのファンページを見てください~。」
というメッセージ表示がが可能になるようです。
●設定方法
下記のように、説明が書かれています。
If for example you are Toyota the sites you might want to enter below would be:
http://www.mazda.com
http://www.nissan-global.com
http://www.mitsubishicars.com
etc.
Please enter each site in a new row preferably in lower case.
あなたがトヨタ自動車なら、マツダや日産や三菱自動車のサイトを登録してくださいと言っています。
要するに、ベンチマークとなるURLを登録します。
今回は、アクセス解析系のサイトなので、
http://nakanohito.jp/
http://www.google.com/intl/ja/analytics/
http://www.i2i.jp/
の3つのサイトを登録してみました。
![]() |
URLを登録してSubmitを押すだけで登録完了です。 |
●設置方法
設定後に、Javascriptのタグを設置します。
既存のビーコン型のアクセス解析と同様です。
該当のサイトのHTMLのの直前にJavascriptのコードを設置するのが良いかと思います。
●レポート画面
計測結果は下記のように表示されます。
![]() |
登録した各サイトに訪れたことのあるユーザーの割合をグラフで表示します。 |
また、メールで週に一度、下記のようなレポートが届きます。
Please find below your weekly beencounter report (visits tracked since October 4, 2010).
http://●●●.com/ (72)
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Visited none - 63 visitors (88%)
Visited http://www.google.com/intl/ja/analytics/ - 7 visitors (10%)
Visited http://nakanohito.jp/ - 2 visitors (3%)
Visited http://www.i2i.jp/ - 2 visitors (3%)
Visited 0 of the tracked sites - 63 visitors (88%)
Visited 1 of the tracked sites - 8 visitors (11%)
Visited 3 of the tracked sites - 1 visitors (1%)
●仕組み
この仕組は、おそらく一時話題になった楽天AD4Uと同じ方法だと思います。
タイトルの禁断の理由はここにあります。
下記引用。
楽天ad4Uは、Flashオブジェクトの中に数千個のURLへのリンクを埋め込み、それぞれのURLを訪れた形跡があるか否かによって、ユーザーのアクセス動向を調べる。このようなことができるのは、ウェブブラウザーがURLへのリンクを表示する際に、訪問済みのURLと未訪問のURLとで異なる色で表示することについて、そのどちらの状態であるかをCascading Style Sheets(CSS)をJavaScriptによって参照することで判別できるためである。
●料金・プラン
Freeから、$9.95/月、$49.95/月、$99.95/月 と4つのプランがあるようです。
4つのプランの違いは、
・解析対象サイト数、
・行動解析したいサイト数(ユーザーが訪れたかサイトどうか)、
・APIの利用の有無、
・SSLページの解析の有無
によって価格が異なるようです。
●総括
自分のサイトの以外の行動履歴を知ることは、なかなか難しいです。
その点で、貴重な参考になる情報を提供してくれる画期的ツールだと言えます。
ただし、仕組みの点から言うと、
間接的に、ユーザーから情報を取得しているので、正確性については、欠けるでしょう。
また、プライバシーの問題もあるので、利用は慎重になる必要があるのではと思います。
行動ターゲティングのアプローチが様々あることが、勉強になりました。
※注意
・2010年10月12日現在の情報です。